①石塔に霊名(戒名)を刻入する

株式会社德風會・祭祀研究所 代表取締役社長 竹谷泰則

 インドでは仏門に出家したものは、「釈子沙門」と称したと伝えられています。中国に仏教が伝来して法号(戒名)を用いる事が始まりました。
 わが国には仏教伝来と共に戒名を称する事が伝わり、徳川時代の檀家制度により、檀家は死後に戒名を与えられる事になりました。
 天皇は、崩御(ほうぎょ)されると、追号がおくられます。
 先祖供養には生前の俗名を使用せず、戒名・法名などの霊名を付けて供養しなければ、子孫が幸福になれません。
 「吉相墓」は、ご先祖様への報恩感謝に、石塔に霊名(戒名・法名)を刻入してお祀りします。石塔はご先祖様の霊が成仏するために建てる供養塔です。戒名・法名でなければ仏門に入った形ではなく、成仏しない形です。
 霊標は過去帳と同じ記録であり、ご先祖様を祀っているとは見なしません。
 何々家の墓は家が死んで祀られた形で、ご先祖様の供養ための墓石ではありません。

 

〇俗名、本名の墓石主の孫の代は
―男子の血統がありません。男子あっても相続しません。
―女子が生れれば金銭が無くなりますが祭祀相続は出来ます
―養子となります。
〇無縁供養塔、三界万霊之墓、南無阿弥陀仏、南無妙法蓮華経などを正面に刻入して法名の刻入のない墓石
―宝塔や五輪塔と同じ一種の供養塔として判断します。墓石とは考えません。
―相続者の安泰を表わしません。(分家初代は一時的に財が出来る。また相続人に心配もありません。)
〇台石あり普通の石工の造る竿石に文字なき墓石
―血統が一時絶えて養子となります。
―実子の長男でも養子のような形で相続します。

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