孝の極致の親孝行

㉓孝の極致の親孝行

株式会社德風會・祭祀研究所 代表取締役社長 竹谷泰則

 先祖供養の第一は親孝行です。両親が健在であれば、その両親に苦労をかけないことが、先祖崇拝の骨子です。
 親を敬い言うことを聞き仕えることと、先祖の祭祀に奉仕することを孝と言う。孝を守る行いである親孝行が高く評価され、父母によく仕える子供のこと孝子(こうし)と呼ばれました。
 孝は百行(ひやつこう)の本と言い、親孝行はすべての善行の基本です。モーゼの十戒の中にも、「あなたの父母を敬え。」とあります。
 「親の心子知らず。」と言いますが。子供のことを思っている親の深い心を察しないで、子供が勝手気ままなことをすることです。子供は親の言うことを聞き服従するのが親孝行であり、善行の初めとなります。そして、仏壇やお墓でご先祖様に、手を合わすことを覚えさせます。
 成人すれば自立して行き、親を安心させ苦労を掛けないことも親孝行でしょう。
 親が老いると今度は子が親を養い、親に苦労を掛けず、親に生活や色々なことで孝養することが、親孝行となります。  

 「親孝行したい時に親は亡し」「石に布団は着せられず」親の生きているうちに孝行しておけばよかったと後悔すること。「石」は墓石の意で、親が亡くなってからでは遅いという意味です。
 しかし、親が亡くなってからも親孝行は続きます。承継し守って行くことです。家訓や遺訓・家業。そして、家を継ぎお墓や仏壇で祭祀し続けて行くことなどです。
 「吉相墓」は、孝の極致の「親孝行の墓」です。親孝行にも色々ありますが、生きている親には敬い仕えること。また、老いた親を養い苦労を掛けないことなど。
 しかし、親孝行はそれだけでは完全ではありません。親の亡き後には祭祀を相続し、夫婦墓を建立して、先祖の祭祀をし、孝養を尽くし報恩感謝することが、親孝行を全うする、孝の極致です。
 そして、「親の墓を子が建て、子の墓を孫が建て、孫の墓を曾孫が建てる。」と代々順々に‟親の墓を子が建立する”、家の根となり本となる「親孝行の墓」です。

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