②父母は夫婦で代々の石塔へ

株式会社德風會・祭祀研究所 代表取締役社長 竹谷泰則

 五輪塔は先祖供養塔であり、お墓の上座に建立しますが、代々の石塔(代々墓)が本来の“墓石”の部分であり、供養する事の中心は新しい死者を祀っている、代々の石塔となります。
 「吉相墓」は、一基の代々の石塔に、夫婦を共に祀る夫婦墓で父母を供養します。夫婦墓の竿石の向って右に父、左に母をお祀りし、代々夫婦がそろう相にして、よく供養し菩提を弔います。
 夫婦を一緒にして祀る事によって、子孫にも夫婦として添う形が整っていきます。夫婦をそれぞれ一基の墓石に祀れば、その家系には結婚出来ない人や、また結婚しても夫婦として添えない人が現れます。
 相続者は、代々の石塔である夫婦墓に父母を戒名で迎えて、日頃供養する必要があります。先祖供養は親孝行であり、父母は死んでも本家においては家族なのであり、供養するのは相続者の義務でもあります。
 竿石の正面上部に仏の種子を彫り、仏のもとで成仏していく相にします。(神道は鳥居、キリスト教は十字架を刻入します。)

 

〇夫婦別々の石塔
―夫婦が永く同棲できません。
―後家となるか良い男子が生れません。
〇一竿石の表裏横共に夫婦や成年男女のみ多く刻み入れると
―養子。
―大変複雑な家庭です。
―外に異性愛、同性愛が出来る相。
■母の生前戒名の夫婦墓への刻入
 「吉相墓」は、父が亡き後、母が生前戒名を受けて、夫婦墓に夫婦一緒に戒名(法名・霊名)を刻入して、夫婦がそろった形にする場合があります。
 母が亡くなってから父と一緒に祀ってもかまいませんが、出来れば母が老境に入ったら、夫婦がそろった形を出すために、母の生前戒名の授与を受けて、父の夫婦墓に生前戒名を赤字で刻入して下さい。
 母が亡くなった時に、亡年月日を刻入し 赤字を黒字に変えて、 埋葬(埋骨)します。

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