③親の墓を子が建てる相続の墓

株式会社德風會・祭祀研究所 代表取締役社長 竹谷泰則

 相続の墓とは「親の墓を子が建て、子の墓を孫が建て、孫の墓を曾孫が建てる。」と、代々順々に“親の墓石を子が建立する”、家の根となり本となる“親孝行の墓”の事です。
 「吉相墓」は、子が誰でも父母の墓を建立して良いのではなく、建立者は相続者の一人になります。基本的には長男が相続者となり、父母の夫婦墓を建立します。次男以下は家の根となる“分家の「吉相墓」”を新設して、供養塔にて先祖を祀り、嫁に行った娘は婚家(こんか) のお墓を祀ります。
 代々、子が親に養育を感謝して報恩に石塔を建立し、供養することにより徳を相続して、ご先祖様の加護により繁栄し、さらに次の相続が求められて子孫が続く形です。
 祭祀供養しなければ父母・先祖を捨てたことになり、子孫の運命が安定せず。本尊が替わる宗教替えや宗旨替えもその連続が断ち切られ、子孫の運命が安定しません。
 墓地全面に石塔を建てずに、余地(未来地)を空けておいて、未来(子孫)のための空間を置き子孫の繁栄を願います。

 

〇親や先祖の墓石を兄弟や親族が共同で建立して建立者の氏名を入れると
―誰か一名は家運が衰えます。
―共に家庭運が栄えません。右側の名の家から衰えます。
―互に精神的によくありません。
〇本家に建墓の力が無くて分家の名で本家の墓石を建立しますと
―分家の事業は一応失敗します。
―分家の財産が減ります。
〇先祖のある家庭は先祖から伝わる宗教を替えないこと。替えると。
―一時家庭内に家運衰退が来ます。
―同じ宗派内で替えるのは吉凶ありません。同じ宗派内とは、東本願寺派が西本願寺派に、本門仏立が他の日蓮宗に、天理教が金光教にまたその逆に替わる事です。
〇墓域全部に石塔を建立し、それ以上一基も建立できないと
―移転、転宅。
―長子が親と別れて生活するか、長子が死亡します。
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