株式会社德風會・祭祀研究所 代表取締役社長 竹谷泰則
「吉相墓」は、建立者の名を刻入しますが、その建立者の心が重要です。
如何(いか)に吉相に整え、ご先祖様を手厚く祀る墓を設計しても、肝心の建立者(家長)が納得せず、例えば、夫が納得しないのに、妻が無理して強引にお墓を建てても、あまり良くありません。その石塔に刻む建立者の心が重要だからです。
祭祀承継者である夫が、先祖と父母を敬わず「親と不仲なので供養したくない。」とか、手厚く祀ることを理解せず「子孫の手間になるから永代供養墓が良い、墓相なんかどうでもいい。」など、不満がありながら建立しても、良い結果は期待できませんし、折角お墓を建立しても、墓守せずに結局墓じまいしたりすることになります。
その様な場合は、夫を時間をかけて粘り強く説得するか、子の代に建立するなど、建立者となる方が納得するまで、「吉相墓」の建立を待つ方が良いと思います。
先祖供養は親孝行であり、ご先祖様への報恩感謝ですから、建立者がご先祖様に感謝して、祭祀して行くことが大切です。