株式会社德風會・祭祀研究所 代表取締役社長 竹谷泰則
「吉相墓」は、朝日から正午ぐらいまでの、午前中の太陽の光がよく当たる場所に建立します。
万葉集には‟朝日照る”という言葉が、墓の枕詞になっていまが、お墓は陰の極みであるから、陽の日を受けなければその家は繁栄しません。陽の日と言うのは午前の日の当たることで、樹木や建物に太陽の光が遮られないような場所に建てます。
陰陽二元論は「善一元化のための光と闇の善悪の戦いである、善(光、アフラ・マズダ)と悪(闇、アーリマン)に分ける善悪二元論」とは異なります。
陰は悪ではなく善でもない。陽は善ではなく悪でもない。陰と陽の二つが揃って一つの要素になります。
原初は混沌の状態であったと。その混沌から光に満ちた明るい澄んだ気、陽の気が上昇して天となったと考え。重く濁った暗黒の気、陰の気が下降して地となったと観る。この陰陽の気の働きによって、天地の事象を観るのが陰陽思想です。