⑱切り土の土地であること

株式会社德風會・祭祀研究所 代表取締役社長 竹谷泰則

 斜面の土を削った、切り土の墓地であること。切り土の土地は地盤が強固です。
 「吉相墓」は、地盤が固い安定した墓所に、寒冷地以外は、基礎のコンクリートを打たずに建立します。
 埋立地は墓地には向いていません。地盤が固まっていないので安定せず、石塔が傾く可能性があります。また、下にゴミなどが埋められていたら埋立地ガスが発生し、人が住むにも、お墓にも適しません。
 近年は、埋立地が地震の時に液状化することが、言われています。液状化現象とは、地震の際に、地下水位の高い砂地盤が振動により液体状になる現象です。発生する場所は砂丘地帯や三角州、港湾地域の埋め立て地などですが、その様な場所は、墓地には適していません。
 水が湧き出る場所や湿地は、埋め立てても、水気・湿気が多い土地になるので、墓地に使えません。
 地盤がしっかりしていて、少し低くなっている程度なら、盛り土して埋め立ててから、深さ一尺に付き一年の年月が過ぎて安定すれば、墓地として使用出来ます。  

 土地の古い悪因縁も関係します。古戦場の跡や刑場の跡などは悪因縁があり、他家の古い墓所の後は、その他家の悪い家庭運に、似たことになりがちです。
 悪因縁のない土地に、斜面の土を削って、新しく造成した墓地が良いのです。
 「吉相墓」は、常に大地の恩恵を強く受けることが出来る様に、大地に根差した造立がなされています。
 大地の恩恵を受けて建つ「吉相墓」の、墓所内を覆うお墓の土は、大地そのものであって、単なる土壌ではありません。
 お墓は家の根として、大地にしっかり根付いて安定してこそ、家系の安定をもたらします。
 お墓は家系のために、供養と、ご先祖様への報恩感謝と、子孫への願いを込めて建立するものです。
 「吉相墓」は、ご先祖様を手厚く祀り、子孫の繁栄と家系の安泰を願う大切な家の根であり、ご先祖様への感謝の心を形にしたものです。

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