供養することが第一義

㉙供養することが第一義

株式会社德風會・祭祀研究所 代表取締役社長 竹谷泰則

 ご先祖様を手厚く祀ったお墓は吉祥です、石塔に戒名を刻入して、吉相を施し手厚く祀りますが、また、その後の祭りも大切です。正しく祭って行くことも吉相です。
 「墓はよく祭れば足りる。」と言って、よく祭り、供養が行き届いていたら、多少の形の良くないことの影響は受けないと言います。しかし、あまりにもの悪相墓は、供養を受け付けないとも言われます。
 お墓は「祭るに厚きが吉相、薄いのが凶相。」です。お墓詣りせず掃除せず供養しなかったら、それは悪相墓なのです。
 荀子の非相篇第五・一章に「相は心に勝たず、心は術に勝たず、術正しければ、心それにしたがう。」とあります。人相より心が大切。心より用いる術(方法・手段)が大切。術が正しければ、それに心が添うと。
 正しい方法を用いることが大切です。
 「吉相墓」は、ご先祖様を供養することが第一義なのを忘れず祭祀して行きます。
 お墓では、ご先祖様を第一にするべきであり、‟お陰様です”と、報恩感謝します。
 ご先祖様へ報恩感謝に、吉相を施し手厚く祀り正しく祭る、吉相の菩提です。  

 先祖の冥福と家庭の幸福、子孫の繁栄と家系の安泰の願いを相に、‟凶を避けて吉に付く「吉相の墓」”に整えます。しかし、「吉相墓」と言うから、何でも願いをかなえる‟開運の塔”と思う方は心得違いです。
 また、願望ばっかり言っていると、「墓相なんかどうでもいい。」と思っている家族と、意見が衝突する場合があります。それは、「お墓はご先祖様を供養するため。」と言う大切なお墓の第一義を忘れて、願い事のためだけに「吉相の墓」を大切だと思っているので、反感を買っているのです。
 家庭が幸福になって行くには、願いも必要です。自助努力を続けて下さい。そして、お墓は供養することが第一義なのを忘れず、ご先祖様を第一に供養を勤め、感謝の心がお墓に反映するのが良い相です。
 「吉相墓」は、‟戒名を刻入し霊を祀る「供養の墓」”であり、手厚く祀っています。
 よくお墓詣りして、掃除して清浄な聖域に保ち、作法を正し低くなって手を合わせ、敬って正しくお祭りします。

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