株式会社德風會・祭祀研究所 代表取締役社長 竹谷泰則
「吉相墓」は、お墓の正面を東・南東・南の吉方位に向けます。お墓の正面とは枠石の入り口の方向、または、枠のない墓所の石塔の正面の向きの事です。
御霊(みたま)の祀りは、お祀りする正面の方向が大事です。例えば神社の本殿の多くは南向きで、“天子南面”より来ていると言われています。また、その次に多いのは東向きです。東は日の出の方角です。“日の出の勢い”とは、朝日が昇る様に盛んな勢いの事です。
神棚を祀る方向も、東・南東・南向きが良いとされている事が多いです。お墓と仏壇も東・南東・南向きをお奨めします。
神仏の祭祀も、先祖供養であるご先祖様の祭祀も同じです。本殿・神棚・本堂・仏壇の向きは考慮するが、お墓の向きだけ問わないのは道理が立ちません。
陰陽思想では、陰には陽が、陽には陰が必要です。陰の極みであるお墓には陽の気が必要であり、吉方位に向けるだけではなく、午前中の陽光を樹木などに遮られずに、お墓の正面が受けるのが良い。