株式会社德風會・祭祀研究所 代表取締役社長 竹谷泰則
唯物論では精神の根底には物質があると考えます。化学には唯物論も必要ですが、唯物論では霊とか神とか、物質的でない存在を否定します。
霊が無いと言えば、先祖の祀りの話にならず、使用できないので、「わかりませんが、有ると思って下さい、無いかも知れませんが」。‟霊を祀る「供養の墓」”を前提として「吉相墓」を説きます。
我々が現在、日夜見聞している物質的な見える世界を顕界(げんかい)と称し。見聞できませんが常に霊的威力ありて活動しつつある不可思議の見えない世界を幽界と称します。この顕幽(けんゆう)二界はあたかも昼夜の如く、また表裏の如し、かの表面の活動は裏面の潜勢力により、昼間の動作は夜間の準備に基くと考え、終始相互不離の関係にあると観ます。
お墓は顕界と幽界(黄泉の国)の境にある、千引岩(ちびきいわ)でもあります。
「吉相墓」は、顕幽一如の菩提であり、浄土を現す聖域です。そして、先祖と父母への、子孫の報恩感謝です。